脱サラしてバンコク留学
脱サラしてバンコクへ留学する漢の物語風実話。
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geene

Author:geene
東京出身の30歳です。

このblogは、これから海外へ(特にタイへ)留学しようと思っている人のため、少しでも参考になればいいなと思い立ち上げてみました。
ただ、あくまでも私個人の経験談ですので、すべての人が同じようにすれば同じようにいくとは限りません。あしからず。

ご意見、ご質問などは遠慮なく。



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出発の朝
あるいは、ボクはすでに躓いてしまったのかもしれなかった。



一時帰国があける前日、つまり、訪タイ前日、ボクはとうとう眠ることができなかった。

飛行機は正午12時発。
平日水曜ということもあり、ラッシュアワーに巻き込まれぬよう、7自発の電車で成田へ向かう予定であった。

だが、ボクはついに眠れなかった。

今回の訪タイでの具体的なアクションプランが決まっていないどころか、今日とまる宿すら決まっていない。

そんな不安要素がボクを眠らせてくれなかった。
タイとの2時間という時差が、いつのまにか体に染み付いていたせいかもしれない。

とにかくボクは眠れずに、だから、始発で成田を目指すことにした。



重いスーツケースをがらがらと押していく。

ふと気づくと、イヤホンのスポンジが片方なくなっている。
とれやすくなっていたから、気をつけていたつもりだったのだが、迂闊にも落としてしまったようだ。

「しまったな」と思った。

イヤホンとはいっても、耳も中にはめ込むタイプのイヤホンでなく、ヘッドホンのように耳にあてるタイプのイヤホンであった。
だから、スポンジがなくなってしまうと、ボコボコとしたプラスチックの面を直接耳にあてなくてはならない。

落としたものは小さなものだけど、「落とした」という行為自体に、ボクは気が滅入った。
これから始まることすべてに対し、なにかが欠落してしまうのではないか、と。

「使えないことはない。」

ボクはそのボコボコしているプラスチックの面を耳に押しあて、「なんとかなる。」と自分に言い聞かせてみた。
スポンジを落としたせいで自分の感情に芽生えた欠落感や、これからの不安感に対しても言い聞かせていた。



なんとかなる。なんとかならないことはない。



重いスーツケースをなんとか駅まで運んだ。
電車に乗りさえすれば、あとはこの重い荷物を移動しなくてもいい。
すでに疲れを感じながら、ふとスーツケースに乗せておいた紙袋を見てみる。

そこには落としたと思っていたイヤホンのスポンジがあった。

なんのことはない。スポンジはスーツケースに乗せていた紙袋に落っこちていただけであった。
ボクはそのスポンジをプラスチックの面にかぶせ、再度耳に押しあてた。



「なんだ、ただそれだけのことだったんだ。」



落としたと思っていたモノは、姿を消していただけで、失くしてはいなかったんだ。
欠落して消えてしまったと思っていたことは、こうして戻ってくることもあるんだ。
躓いたとしても、躓いた先でなにかが見つかることもあるんだ。



ボクはホームにすべりこんできた始発電車に、一歩を踏み入れた。
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